本柘

本柘について

本柘について

天然木材の中で最も繊維が緻密で耐久性に優れている本柘。
古くから多方面で使われてきた伝統的な印材です。
本柘と呼ばれる物は国内産の柘のことで、島柘(御蔵島・三宅島産)と薩摩柘(鹿児島産)が有名です。

流通が発達していなかった時代は、黒水牛・オランダ水牛・象牙などの定番印材が現在よりも貴重でした。
必然的にお値段が高くなってしまい、手が出しづらかったので比較的に安価な柘が重宝されていました。
現在では印材価格だけを比べると、黒水牛の方が微妙にですが安くなっております。
おそらく、木材の需要が高まっているのと生産量が減少していることが原因で柘の値段が上がっているものと考えられています。
そういったことから考えると印材の価値としては、柘の方が上と言えるでしょう。

ちなみに当店では柘と黒水牛の販売価格はほぼ同じです。数十円〜数百円の違いだけで販売しています。その理由としましては、黒水牛の方が彫刻にかかる手間が大幅にかかることが挙げられます。固いものの方が仕上げ彫り・荒彫りともに時間がかかりますし、手も疲れます汗

耐久性が心配?

柘などの木材系印材はどうしても耐久性が心配だと言われています。
でも個人の実印・銀行印を使う頻度ってあまり多くないですよね。
そもそも木材として緻密で耐久性に優れているので、古くから印材として用いられてきました。
そこまで使用頻度が高くなければ、あまり心配しなくても良いと私は考えております。

メンテナンスが重要

あえて言うとすると、柘などの木材は朱肉の油分を他の印材に比べてよく吸い込みます。
使用後にそのままにして、長年使っていると枠が柔らかくなって潰れたように変化してくる場合があります。
我々は摩滅と言っていますが、法人印ではよくあることです。
契約などで実印を使用する頻度が高い場合は要注意です。
10年以上経過すると摩滅をして、そのうち枠が欠ける可能性が高いです。
使用後にティッシュなどで朱肉を拭いてあげると長持ちにつながりますので、ぜひお試しください。

薩摩本柘を使用しています

当店では全ての柘の印鑑に最高級とされる鹿児島産の薩摩本柘のみを使用しております。
色味は黄色が強い柘が一般的ですが、当店の好みで黄色が弱く、なるべく白味が強い薩摩本柘を仕入れております。
理由は柘として安売り店で売られている一部の材料は「アカネ」と言って柘もどきの材料を使用しています。
特徴はオレンジが強い色味をしていますので、それとは差別化したいという意図です。
それと白っぽい方が上品だと私が感じるからです。主観が強くてすみません汗

まとめ

印材選びはご予算とも関わってきますので大切な要素ですが、
無理のない範囲内で好みのものをお選びいただければ良いと思います。
印材や手彫りと言うキーワードでお問い合わせをいただくことがあります。
しかしながら印材や彫刻方法はあくまで手段だと考えています。

そもそも文字のデザインが気に入らなければ、せっかくの印材も残念な感じになってしまいます。
一生のおつきあいになる印章です。
あなただけの、納得の印材・デザインをご提供できればと考えております。

気になる方はぜひこちらもお読みください。天章堂公式ブログ「失敗しない書体選びについて」

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