捨印

捨印って何なの? 押しちゃダメなの??

契約を交わす際に書類の枠外に「こちらにも捺印お願いします」と言われたことがありませんか?
なぜ押すのか、イマイチ説明がなく押した記憶がある方が多いかと思います。
これは「捨印」というもので、結構重要な意味を持っています。
今回は捨印について、私なりの考えを書かせてもらいます。

そもそも捨印とはどのようなものか?

簡単に言うと、訂正印の代わりです。
訂正印とは、内容の訂正箇所に押す印のことです。

訂正印は上記のように間違った箇所に二重線を引いて、上から捺印して、正しい文言に書き直す時に使用する印鑑です。

捨印はこの訂正印と同じような意味なんですが、訂正印が実際に間違えた場所に線を引いて印を押して「訂正」とするのに対して、捨印は欄外の捨印が押してある箇所の近くに一筆添えるだけで訂正ができるものです。

つまり本人の知らない内に、第三者が内容を勝手に訂正してしまう可能性があるから注意する必要があります。

捨印が危ないって本当?

私は法律の専門家ではないので、あくまで個人的な見解として申し上げますと・・・
実際に捨印による被害にあった方っての話を聞いたことないんですよね。
なぜなら本当に重要な契約金額・契約期間・契約当事者の変更なんかには権限が及ばないからなのか・・・?
ただ、危険性があることには変わりないので、私は基本的に押さないようにしています。
訂正があった場合は、何度でも付き合うので押したくない旨を伝えるようにしていますが、顔馴染みで何度も契約を交わしている相手や金融機関だとその限りではありません。
要は相手を信用しているか?信用に値する相手なのか??ということも判断材料にしています。
ちなみにお会いした事もなく、書類が郵送で送られ「ここに捨印を押して下さい」って場合は絶対に押しません。書類が戻ってくる場合もありますが、押さずに返します。

つまり私の考えは、人を見る目が肝心だと思っております。
そもそも怪しい人とは、捨印の前に契約すら結びませんからね笑
あくまで個人的な見解なので、違っていた場合はご容赦ください。

まとめ

私は法律の専門家ではないので、法律的な云々は専門家の方に聞いていただけたらと思います。
それよりハンコを彫るプロとして言いたい事は、捺印を大切にして欲しいって事です。
捺印の重要度に高いも低いもありません。
全ての捺印には必ず責任が伴います。
どんな捺印でも、しっかり内容を把握し納得し、捺印するプロセスが何より重要です。
それには担当の方の説明が納得できるか?それとも信用に値する人物なのか?
それを見極める目が大事だと考えています。

印鑑を作ることも大切ですが、どう使うのか?もあわせてお考えいただければ幸いです。
こだわった手書き文字・手彫り仕上げ印鑑を作っていただいたのに、
契約事でトラブルに遭ったなんて話はできれば聞きたくありませんので。

 

手彫りってそんなに大事?

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
ついでに少し手書き文字・手彫り仕上げ印鑑天章堂の宣伝もさせてもらえればと思います。
皆さまが気になるのはよく聞かれますので製造方法だったりしますよね?
「手彫り」「完全手彫り」「コンピューター彫刻」などの言葉を見たり、聞いたりしたことありませんか?
おそらく大多数の方が、見たり、聞いたりしたことがあると思います。
「手彫り」「完全手彫り」って言葉、なんとなく良いものだ~ってイメージありませんか?
ご安心ください!その認識はだいたい合っていますよ。「ただし」がつきますが。。。
今回はその「ただし」についての説明をさせていただきます。
みなさまの印章選びのお役に立てたらと思っています。 

言葉の整理から

まずは「手彫り」「完全手彫り」「コンピューター彫刻」って言葉について整理してしましょう。

コンピューター彫刻について

「コンピューター彫刻」は、彫刻機と彫刻ソフトをフル活用した製作方法です。
ざっくりと説明すると、PCの彫刻ソフトで「彫刻する名前」を入力してそのまま彫刻することを言います。 操作方法さえ教えれば「素人」でもできます。 また、同型印を作ってしまうリスクがあります。

手彫り・完全手彫りについて

次に「手彫り」「完全手彫り」は言葉の通り、彫刻作業を「手作業」で行うことを指します。
なんか手間をかけて作っているのだから、「良いもの」ができそうですが。。。
ここで重要なのは、手作業だから「良いもの」を提供できるわけではないと言うことなんです。
余談ですが「手彫り」の定義って、曖昧で印刀で少し触っただけでも「手彫り」って謳えるんですよ。
送料込みで5,000円以下の「手彫り」はこの部類であると断言できます。
おそらく字入れも「PC」に依存しているはずです。
↑印章組合で定義をしていますが、あくまで業界の決め事なので法的な拘束力はありません。

ここまでの説明でお分かりになった方もいるかと思いますが、 確かに枠が欠けにくい、朱肉の離れが良いというメリットが「手彫り」にはあります。 しかしながら彫刻作業ってあくまで製作工程の一部分に過ぎないってことです。 「手彫り」「完全手彫り」という謳い文句が伝わりやすいので、売り文句しているだけです。

製造方法

手彫りであることよりも大事なこと

では、何が大切なのか?というと。。。 それは字入れ(デザイン)です。 お客さまのお名前と、ご注文いただいた直径サイズに どのようにレイアウトするのか? どんな字を入れるのか? どのようにアレンジをするのか? 与えられた字の組み合わせで、 「レトロにするのか?」「しなやかにするのか?」「迫力を出すのか?」 大切なのは、そちらの方です。

手彫り印鑑

だから手書き文字・手彫り仕上げ

当店では、大切な作業だからこそ「字入れ」の作業を手書きで行います。 一文字・一文字、組み合わせを考えます。 手間はかかりますが、何度も何度も書き直します。 「レトロにするのか?」「しなやかにするのか?」「迫力を出すのか?」。。。 設計図がいい加減では、良い建物が建たないのと同じです。

荒彫りは機械、仕上げは手彫り

ちなみに当店では「荒彫り」という作業は彫刻機で行います。 デザイン通りに彫刻をする工程ですので仕上がりの成否には関わりません。 ※この工程に機械を導入することで、時間短縮ができ、コストも下がります。 8割ほど荒彫りをした後に「手彫り」で仕上げ作業を行います。
デザインをイメージに向け整えていきます。
整えるだけでなく他にも以下のことを意識して行います。
独特の風合いを出す。
朱肉の離れを良くしたり、枠を欠けにくくします。

最後に職人よりご挨拶

当店は昭和36年創業して以来、「手書き文字」と「手彫り」の印章(はんこ)づくりにこだわり、三代にわたり技術と知識を継承してまいりました。
印章(はんこ)はとても小さなものですが、その影響力はとても大きなものです。 家やクルマの購入などで実印をお使いになるときは、その方の人生で大きな決断という「印(しるし)」を残すことでもあります。
お客様のその「決断が素晴らしいものになるように」、心を込めておつくりすることが天章堂の役目だと考えています。

インターネットには「即日出荷」「手彫り」「激安」などの印章(はんこ)が溢れていますが、天章堂では「手書き文字」「手彫り仕上げ」のレトロな文字の美しさを大切に、今日も印章を彫らせていただいております。

ホームページの開設以来、全国各地から多くのご注文をいただき、当店の魅力を再確認させていただいています。
しかしながら、価値観が多様化する現在において、すべてのお客様に当店がご支持いただけるとは考えておりません。 「キレイな印影のもの」「なるべく良い素材・彫刻のもの」「長持ちするもの」「セキュリティーのしっかりしたもの」をお探しのお客様からのご注文に、しっかりと向き合い続けていきたいと考えております。
大切な決断を印す、その印章(はんこ)によってお客様の人生が豊かになるお手伝いができれば嬉しく思います。

手書き文字・手彫り仕上げ印鑑 天章堂公式HPは以下から直接ご覧いただけます。 

手書き文字・手彫り仕上げ印鑑天章堂

印鑑ネット通販のすすめ