藤原流篆書について

藤原流篆書について

藤原流篆書は試行錯誤を重ね生み出した職人魂の結晶とも言える天章堂オリジナルの書体です。
他店が同じものを作ることはできませんので、高いセキュリティが求められる実印や銀行印に最適です。
※篆書=「てんしょ」と読みます。

一般的な篆書

一般的には、はんこ屋さんが彫刻する文字は印篆(いんてん)と言う篆書です。
縦に長い小篆を印の丸形・正方形に収めるため、小篆の曲線部分や長くはみ出す部分を直線・折線で表現したものとなります。
有機的な形の小篆よりも直線的で整然とした印象を受けるのが印篆です。
分かりやすく申しますと、タテ画・ヨコ画が直線的で四角っぽい文字。
丸形・正方形の印面に字入れ・彫刻がしやすいのが印篆となります。
多くの印章店が篆書として使っているのがこちらの印篆です。

印鑑の書体選び 篆書体  篆書体(徳川家康)

 

藤原流篆書

藤原流篆書は、印篆を小篆調・小篆風に独特の雰囲気の文字を使用します。
時には金文・古文等の字を用いたりして文字の芸術性をより表現します。
また篆刻を意識し、文字の形態に遊び心を入れたオリジナルの書体です。
『字法・章法・刻法』の三法の法則に基づき、刀の味『サビ』を加え彫刻致しております。
試行錯誤を重ね生み出した職人魂の結晶とも言える書体です。
他の印章店では真似が出来ないものですので、偽造される可能性はほぼありません。
少々価格は上がりますが、デザイン性・セキュリティー面からもおすすめの逸品です。
ご予算・納期に余裕がある場合はぜひ!

印鑑の書体選び 藤原流篆書 藤原流篆書(徳川家康)

ちなみに当店の篆書(藤原流篆書以外)は一般的な篆書よりも曲線を出してデザインします。

 

レイアウトは「ヨコ」、または「お任せ」

フルネームではなく、姓名どちらかで彫刻するときのレイアウトは基本「ヨコ」となります。
レイアウトで「タテ」を選択される方がいらっしゃいますが、
文字の特性を考えると「ヨコ」に字入れ(レイアウト)することをおすすめいたします。
「タテ」を選択されても、精一杯の仕事をさせていただきますが、
「しなやかな曲線」「レトロな雰囲気」をより活かせるのは「ヨコ」のレイアウトです。
既成の三文判が「タテ」なので固定概念があるのは承知しておりますが、
どうか先入観を捨てて、「ヨコ」または「お任せ」を選択ください。

 

注意点

藤原流篆書は文字選びからデザイン・彫刻まで通常の仕事よりも時間がかかる工程になります。
別途オプション料金として(実印6,000円・銀行印4,000円)と追加納期が3営業日かかります。
HPに記載の納期に3営業日を出していただいた日にちが出荷となります。
お急ぎの場合にはご注文前にご相談ください。可能な限り対応させていただきます。

 

できないことがいくつかあります

古い時代の文字を使用、または古い時代の文字と印篆の間のような文字をデザインします。
平仮名・片仮名は日本で誕生した文字ですので、古代中国の文字(小篆)が存在しません。
平仮名や片仮名でご依頼をいただいても、篆書風の文字を入れることしかできませんので、
藤原流篆書の魅力は半減してしまいます。
イメージと異なるなどのトラブルの原因にもなりますので、平仮名・片仮名はお受けできません。
その他、法人印各種も藤原流篆書では彫れません。あらかじめご了承ください。

 

他の書体についても説明します

まずは「篆書体」と「八方篆書」の違いについて解説します。
どちらも一見複雑で読みにくく実印に適しているように思えますが、実は両者には大きな違いがあります。
その違いとあわせて、私たちが文字デザインをする際に目安にしていること、また選び方までご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。読み終わればそれぞれの違いがわかり、作成する際にもイメージできるようになるはずです。

書体一覧

 

篆書体のついて

歴史:漢字の書体の1つで、秦の始皇帝の時代に創始したものといわれています
デザイン:1文字ずつ独立しているため、上下左右や文字間に空きができ、複雑だがある程度識字できます
一般認識:日本のお札にも捺してある、由緒正しい文字です

印鑑の書体選び 篆書体
  篆書体(徳川家康)

 

八方篆書(印相体)について

歴史:戦後に印鑑にも相があるとし、篆書を元に変形させたデザインとして誕生したそうです
デザイン:篆書の線を伸ばし付けるため空きがなく複雑で、かなりアレンジされているため判読が難しいのが特徴です
一般認識:吉相体や八方体などとも呼ばれ、縁起が良いと思われている方が多くいらっしゃいますが、明確な根拠はありません。当社ではデザインの選択肢として取り扱いをしております。

印鑑の書体選び 八方篆書(印相体)
八方篆書(徳川家康)

 

印鑑の書体選びは、フィーリングが命です

作り手の私の意見を申し上げますと、格好がよければどちらでもよいと考えています。こう言ってしまうと元も子もないような気がしますね(笑)。やはり文字の組み合わせに対して、より良いデザインの方がいいですよね。

お名前の組み合わせは様々です。
一番多い漢字4文字だけでなく、苗字が4文字で名前が1文字、画数の多い少ない組み合わせや、カタカナ・ひらがなのお名前を持っていたりと様々です。
当然その組み合わせによって最適な書体も変わってくるので、言い伝え云々よりもデザイン力、つまり格好がよい方が良いと考えます。
とはいえ格好のいいの判断は当然人それぞれですし「できればこっちの方が・・・」といったこだわりもあることでしょう。
例えば上記の「徳川家康」という文字もアンケートをしてみると、半々くらいに好みが分かれます。そのため書体を選ぶ際にまず最初は、見本のどちらがパッと見た時に好みか?を感じてみてください。フィーリングはとても大事です。
どうしても篆書や藤原流篆書が好きだけど、ひらがなのお名前だとおすすめはできなかったしますので、その辺りはご相談いただければと思います。

 

デザインをする際に考慮にしていること

私たちが文字デザインをする際、またご提案する際に意識していることをご説明します。

  • フルネームの場合

  1. 文字数が左右で異なるか?
  2. 画数の多い文字と少ない文字の組み合わせか?
  3. カタカナ・ひらがなが混じっているか

基本的にはどちらの書体でもバランスよく彫れますが、上記の場合は八方篆書をおすすめすることが多いです。
つまり逆にいうと、バランスを重視するのであれば、漢字4文字以外は八方篆書が合わせやすいと考えています。どんな組み合わせにも比較的対応しやすく、収まりも良いと言うことです。

  • 銀行印の場合(フルネームではない)※三文字まで

  1. 縦がお好みなら八方篆書(印相体)
  2. 横がお好みなら篆書体

お名前だけや苗字だけの場合、比較的「縦か横」を最初から希望される方は少ないです。
と言うより横の選択肢を知らない方が多いのが実情です。
これはおそらく、三文判が縦のレイアウトであることが理由だと思います。
本来文字は縦長ですし、縦長に書いた方が綺麗に見えます。
元の文字でもある篆書は字形が縦長のため、やはり横のレイアウトが綺麗に見えます。
篆書の線を伸ばして繋げる八方篆書はアレンジが効きます。どちらでも一定程度のデザイン性が保てます。
縦にこだわりがある場合は、無条件に八方篆書をお選びいただいて良いと思います。
例えば「青木」さんなど左右対象の文字だとが八方篆書の縦はなかなか良いですよ。

 

まとめ

藤原流篆書の説明から書体選び・デザインの仕方までご紹介しました。
皆さまのお名前との共通項があって多少はイメージができたかと思います。
手彫りと言うキーワードがよく使われますが、彫刻はあくまで手段です。
そもそもの文字にデザイン性がなければ、彫刻もあまり意味を成しません。
一生のおつきあいになる印章です。
あなただけの、納得のデザインが見つかると良いですね!

 

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