八方篆書について(印相体)

八方篆書(印相体)について

歴史:八方篆書は戦後に印鑑にも相があるとし、篆書を元に変形させたデザインとして誕生したそうです
デザイン:篆書の線を伸ばし付けるため空きがなく複雑で、かなりアレンジされているため判読が難しいのが特徴です
一般認識:吉相体や八方体などとも呼ばれ、縁起が良いと思われている方が多くいらっしゃいますが、明確な根拠はありません。
当社ではデザインの選択肢として取り扱いをしております。

印鑑の書体選び 八方篆書(印相体)
八方篆書(徳川家康)

全体的に画数が少ない場合、画数が多い文字と少ない文字が混在している場合など、アレンジを効果的に施せるので全体バランスを整えるには最適な書体です。
書体に迷ったらデザインの融通も効きますし、印影が読みづらくなるので、セキュリティの観点からも「八方篆書」をお選びいただくのが良いと思います。
また、二文字の彫刻をする場合に「田中」「小田」「山田」など左右対称になる文字は、八方篆書で「タテ」を選択いただくと、八方篆書の良さが引き立ちます。

当店の八方篆書は曲線を大切に字入れ(デザイン)をします。
重厚感とレトロなしなやかさを併せ持つ印鑑がお好みでしたら、ぜひ当店の八方篆書をご注文ください!

 

印鑑の書体選びは、フィーリングが命です

作り手の私の意見を申し上げますと、格好がよければどちらでもよいと考えています。こう言ってしまうと元も子もないような気がしますね(笑)。やはり文字の組み合わせに対して、より良いデザインの方がいいですよね。

お名前の組み合わせは様々です。
一番多い漢字4文字だけでなく、苗字が4文字で名前が1文字、画数の多い少ない組み合わせや、カタカナ・ひらがなのお名前を持っていたりと様々です。
当然その組み合わせによって最適な書体も変わってくるので、言い伝え云々よりもデザイン力、つまり格好がよい方が良いと考えます。
とはいえ格好のいいの判断は当然人それぞれですし「できればこっちの方が・・・」といったこだわりもあることでしょう。
例えば上記の「徳川家康」という文字もアンケートをしてみると、半々くらいに好みが分かれます。そのため書体を選ぶ際にまず最初は、見本のどちらがパッと見た時に好みか?を感じてみてください。フィーリングはとても大事です。
どうしても篆書や藤原流篆書が好きだけど、ひらがなのお名前だとおすすめはできなかったしますので、その辺りはご相談いただければと思います。

 

デザインをする際に考慮にしていること

私たちが文字デザインをする際、またご提案する際に意識していることをご説明します。

  • フルネームの場合

  1. 文字数が左右で異なるか?
  2. 画数の多い文字と少ない文字の組み合わせか?
  3. カタカナ・ひらがなが混じっているか

上記の場合は八方篆書をおすすめすることが多いです。
つまり逆にいうと、バランスを重視するのであれば、漢字4文字以外は八方篆書が合わせやすいと考えています。
どんな組み合わせにも比較的対応しやすく、収まりも良いと言うことです。

  • 銀行印の場合(フルネームではない)※三文字まで

  1. 縦がお好みなら八方篆書(印相体)
  2. 横がお好みなら篆書体

お名前だけや苗字だけの場合、比較的「縦か横」を最初から希望される方は少ないです。
と言うより横の選択肢を知らない方が多いのが実情です。
これはおそらく、三文判が縦のレイアウトであることが理由だと思います。
本来文字は縦長ですし、縦長に書いた方が綺麗に見えます。
元の文字でもある篆書は字形が縦長のため、やはり横のレイアウトが綺麗に見えます。
篆書の線を伸ばして繋げる八方篆書はアレンジが効きます。どちらでも一定程度のデザイン性が保てます。
縦にこだわりがある場合は、無条件に八方篆書をお選びいただいて良いと思います。
例えば「青木」さんなど左右対象の文字だとが八方篆書の縦はなかなか良いですよ。

 

まとめ

手彫りと言うキーワードがよく使われますが、彫刻はあくまで手段です。
そもそもの文字にデザイン性がなければ、彫刻もあまり意味を成しません。
一生のおつきあいになる印章です。
あなただけの、納得のデザインが見つかると良いですね!

 

手書き文字・手彫り仕上げ印鑑天章堂 公式HP
天章堂

国分寺市印鑑条例(外部リンク)