三文判

三文判は、どういう印鑑のこと?

三文判について はじめに

三文判って聞いたことありますよね?
印鑑のようなイメージがあるけど、何が違うのか?
認印やシャチハタとの違いは?
実印として使用することはできるの?など
日常で疑問に感じることが多い「三文判」について、今回は説明させていただきます。

「三文判」とは「安価なハンコの総称」です。 

三文判の「三文」とは、「とても安い値段」という意味で「二束三文」という言葉があるように、
価値の低いものや安価なものに対して「三文」という言葉がつけられるようになりました。
安価で大量生産されている既製品の印鑑が出回り、「三文判」と呼ばれるになりました。

※一文は現在の価値だと30~35円程度だと言われています。
三文は約100円ということになります。
100均ショップなどでは実際に100円で売られていますね。

「印鑑」というと、朱肉を使って押すハンコという認識があるかと思います。

三文判も、ただ安いというだけで、印鑑に違いはありません。
しかし、通常「印鑑」は一つ一つ印影をオリジナルに作成し、
世界に二つとして同じ印影ができないように作られた印章のことを差します。
三文判は「印鑑の仲間には入るけど、その中では最低のグレードのもの」という認識で良いと思います。

実印・銀行印として登録は可能?

三文判であっても、実印として印鑑登録することは可能です。
ただし、自治体によっては既製品の印鑑の登録を不可としていたり、
「適切でない」と非推奨になっていたりします。
ということは、必ずしも全国どこでも登録できるわけではありません。

安価で身近に売っている三文判を実印に使用すると以下のような危険性があります。

同型印が多く、偽造されやすい

三文判は、基本的に機械で大量生産されたものです。
つまり、自分と全く同じ印鑑を持つ人が世の中にたくさんいるということになります。
そういった三文判であっても、役所へ印鑑登録したり、銀行に届け出を出したりすれば、実印にも銀行印にもできてしまいます。

もし三文判を実印として登録してしまった場合、実印の偽造や複製が簡単に行われ、なりすましのリスクが非常に高くなってしまいます。
ご予算などのこともありますが、実印を使用する以上、それなりの価値のあるものを購入、契約することが考えられますので、時間がない場合は、契約後にあらためて実印をオーダーメイドして改印の届出をすることをおすすめいたします。

変形しやすく、いざという時に使えない可能性がある

三文判に使われている印材は、主にラクトやアクリルをはじめとした合成材です。
ラクト材やアクリル材はプラスチックの一種であり、加熱すれば柔らかくなって加工も容易なため、工業製品の材料として好まれています。 しかし、加工しやすい素材は、変形しやすくもあると言えます。
特に印鑑に使用した場合、一度印面が変形してしまうと元に戻すことはできません。
実印は、登録した印影と照合を必要とするため、印面が変形してしまうと効力を失ってしまうので、変形しやすいラクトやアクリルの印鑑は注意が必要です。

三文判とシャチハタの違い

シャチハタとは、印面がインクを透過する素材で作った、朱肉を必要としない印鑑のことで、正確には「浸透印」と言います。
(※「シャチハタ」は商品名でなく、浸透印を開発した会社の名前です)
シャチハタも印鑑・ハンコの仲間ですから、安価なシャチハタも「三文判」であると言えます。
会社の書類等で、「シャチハタ不可、三文判の使用可」と指示を受けた際は、「安価な既製品の印鑑でも大丈夫だけど、朱肉を使用するものでないといけない」という認識で問題ありません。

三文判はどのような時に使えば良い?

上記の説明を読むと、「三文判の使用は控えたほうが良いの?」と思われるかもしれませんが、 決してそうではありません。
「安くてすぐ手に入るもの」という利点を活かして、外出先で印鑑を忘れてしまった時に間に合わせの印鑑として文具店や100円ショップで購入したり、職場などに常備しておく為の印鑑として使用するなど、「個人の認証を必要としないときや、形式上シャチハタではダメという時に活用してみてはいかがでしょうか。
ちなみに私も商店会関係の書類などでは三文判を使用しています。
シーンを限定すれば便利ですよね!
なんと言っても安くて、すぐに手に入りますからとても便利です。

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